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Webサイトについて

2021年度から始動していたKUMA LABのwebサイトのリニューアルが漸く完成し、公開されました。
改めて、この場を借りてグラフィックデザイナーの岡崎真理子さん、実装とディレクションを萩原俊也さんに感謝申し上げたいです。また、ここでは、このサイトの特徴と完成までの裏話をお話しさせていただきたいと思います。

① プロジェクトの始まり––LABの特徴を考える

まず、webサイトのリニューアルにあたって、研究室におけるwebサイトの役割を考えました。
色々な研究室のサイトを見ていくと、主な内容は、

・研究活動の紹介
・学生の紹介
・イベントや授賞のアナウンス

こうした活動や事実を発信することで、大学の研究室のwebサイトはリクルーティングとファウンディングに貢献しているのだと思います。

ですが、KUMA LABには通常の大学の研究室と大きな違いがあります。KUMA LABには研究室に所属する学生がいませんし、学生を所属させることができません。活動期間も5年間と定められています。

KUMA LABは隈研吾教授が退官して、隈研吾研究室を解散してから設立された寄附講座です。工学部の研究室とは別枠で、東大総長直轄のプロジェクトに位置付けられており、積水ハウスさんの寄付で運営されています。ただ実態としては、KUMA LABは研究室のDNAを引き継ぎ、工学部の学生を対象に授業を提供し、下記のような特徴をもって活動しています。

・歴史(アーカイブ)と技術(ファブリケーション)の2つの側面を探求
・国際的。海外からの研究者や研究室を多く受け入れる

② 本Webサイトの目的

上記のような研究室なので、外部の人には何をやっているのか分かりにくいという性質もあるのかな、と思います。実際、「退官講義したのに、退官していないのか?」、「隈研吾研究室はまだあるの?」という問い合わせも多いです。(笑)そこで、何を見せていくべきか、何を見たいと思ってもらえるのか、と考え、2つの指針を決めました。

・コミュニティを可視化すること
・集まってくる関心を外に開くこと

「こんな人がこんなことをやっています!」「こんな関心がある人がここにいます!」という情報が積層されていくような場所になればと思いました。学生さんも、レクチャーに来てくれた人も、スピーカーも、KUMA LAB関係者が、KUMA LAB面白うそうだと思い続けてくれるような、掲示板的なハブになれたら、と。5年間の活動を実行しながら、記録しながら、その様子も公開していく…「つくりながら考える」というか、「つくりながら残していく」というインターフェースを目指します。

しかし、コミュニティや関心を可視化するというのは、全く、容易ではありません。そこでプロの手を借りようと、本サイトは、グラフィックデザイナーの岡崎真理子さん、実装とディレクションを萩原俊也さんにお願いしました。

研究室のサイトということで予算も限られているので、アニメーションやチャット機能などは搭載できませんが、どうにかシンプルに関心を見せたいということで、グラフィックの力だ!と思い、日本語も英語も構築的なデザインをされていて、タイポグラフィーの扱い方が特徴的な岡崎さんにお願いしました。

③ 本Webサイトの特徴

コミュニティを可視化なので、なかでも、「PARTY」のページに力が入りました。「PARTY」のページはいわゆるメンバーページなのですが、メンバーというと所属しているとかしていないという話が出てきます。「PARTY」もう少し楽しそうでいて、何か目的があって集まっているグループを表せると思い、平野さんが発案してくださった「PARTY」という言葉を使用しています。

「PARTY」のページは議論を重ねた結果、顔写真の代わりに、KUMA LAB コミュニティの皆さんに本棚や本の写真を提供してもらうことになりました。画面を文字が残る印象にとどめたい、という岡崎さんの言葉から、本の表紙、本棚、という風に展開しました。ジェンダーや国籍、年齢、外見に囚われず、それでいてそれぞれの個人とイメージが結びついていると思います。よく見ると性格や職業や関心がわかるので、じっくり眺めてもらえたら嬉しいです。

また、グラフィックで課題を解決しつつ、モバイルでの見え方も優先したかったので、萩原さんには苦労をかけたと思います。実際、モバイルからの方がアクセスされやすいですし、東京大学にあるKUMA LABの拠点からもアクセスしてもらおうと思うと、どうしてもモバイルで見やすいデザインにしたかったのです。

KUMA LABのオンラインの拠点である本webサイトと、KUMA LABの拠点はQRコードを読み取ることで、繋がります。KUMA LABが運営もするファブリケーション施設、T-BOXにはK-BOXと呼ばれる模型展示ケースがディスプレイされており、K-BOXに貼ってあるQRコードから本webサイトに掲載されている模型のキャプションが読めます。

InstagramやFacebook、Twitterとの差別化も本webサイトの課題であり、また、物理的な拠点であれ、オンラインの拠点であれ、足繁く通って様子を見たり、ページをチェックすることは大変です。これら全ての拠点の活動を毎月総括するものとして、メールマガジンを発行しており、その入口をwebサイトに置いています。

④ さいごに

一般的に、研究室は何を残したのか?ということは外部にとって目に見えにくいものです。もちろん、教授自体の研究業績や、後継者やそこで教育を受けた人材、研究関心が受け継がれることが大学の研究室の遺産かもしれませんが、研究室内部の人にしか分かりづらく、長期的な視点も必要です。

KUMA LABでは5年間という期間が限られているからこそ、ここでやったことを記録して、次に繋がるように、5年後も必要だと思ってもらえるような場所になるように、T-BOXと共に本webサイトもKUMA LABに集まってくる好奇心を蓄積していきたいと思います。

 

Webサイト 企画・編集
服部 真吏