建築史家、教授
1973年生。1995年、東京大学工学部建築学科卒業。2001年、同博士課程修了。パリ第IV大学(Paris-Sorbonne)客員研究員、近畿大学講師、東京大学准教授を経て、2018年より東京大学教授。主な著書に『「幽霊屋敷」の文化史』(講談社、2009年)、『ゴシック様式成立史論』(中央公論美術出版、2012年)、『時がつくる建築』(東京大学出版会、2017年)。受賞にサントリー学芸賞(芸術・文学)、日本建築学会賞(論文)、建築史学会賞など。
Website: http://www.history.arch.t.u-tokyo.ac.jp/kato/index.html
KUMA LABからの質問
Q1: SEKISUI HOUSE – KUMA LABとの関わりを教えてください。
A1: SEKISUI HOUSE – KUMA LAB のアドバイザーです。
Q2: 写真に写っているものを教えてください。
A2: 自宅の本棚の一部です。
Q3: 写真に写っている本の中で特筆すべきものがあれば教えてください。
A3: Antoine Picon, The Materiality of Architecture, Univ of Minnesota Press, 2021.
サラ・ワイズ『塗りつぶされた町:ヴィクトリア期英国のスラムに生きる』栗原泉訳、紀伊國屋書店、2018年。
Q4: 最近のご自身の関心を教えてください。
A4: 建築の20世紀を相対化し、その絶対視を超克すること。モダニズムが推進した「最小限、低コスト、シンプル」という価値観に対して、前近代から19世紀までの建築に本質的に備わっていた「過大さ、高コスト、ラグジュアリー」という側面を再評価すること。産業革命にもとづく19世紀のマニュファクチュアとそれによって興隆したインテリアの問題を再評価することで、21世紀のデジタルファブリケーションを歴史的な観点から論じること。現在、書籍化に向けて準備中。
Q5: 最後に、SEKISUI HOUSE – KUMA LABに期待することを教えてください。
A5: デジタル・ファブリケーションとデジタル・アーカイブの両軸の実践を推進するSEKISUI HOUSE – KUMA LABは、実践のためのセンターであると同時に、現代・未来の建築の理論化を推進するコアとなるものと期待しています。学生たちもT-BOXを通じて、建築の最先端に触れる機会が増えていて、東大・建築のますますの発展をもたらしてくれるものと期待しています。